小学生にもわかる『国債』


⭐︎国債とは?

国債とは、国(日本の政府)が「お金を借りるときに発行する借用証書(しゃくようしょう)」のことです。たとえば、おこづかいが足りなくて友だちからお金を借りるとき、「あとで返します」と約束しますよね。国も同じように、お金が足りないときに「国債」を出して、お金を借ります。


どうして国債を出すの?

国は学校や道路をつくったり、災害のときに助けたり、年金や医療などにお金を使います。でも、税金だけでは足りないときがあります。そこで国債を発行して、足りない分を補(おぎな)うのです。


誰が国債を買うの?

国債は銀行や保険会社、それからお金をふやしたい人(投資家)などが買います。国が「何年後に返すよ」と約束して売るので、買った人は安心してお金を貸すことができるのです。


国債のいいところと心配なところ

  • いいところ:すぐに必要なお金を集められる。
  • 心配なところ:借りすぎると、返すのが大変になり、将来の国民に負担(ふたん)がかかる。

まとめると、国債は「国が発行する借用証書」で、国の大きな出費をまかなうために使われます。でも、借金ですから使いすぎると困るので、上手に管理することが大切です。

⭐︎日本は今どのくらい国債を出している?

1. 中央政府(国)が発行している国債

2025年3月末時点で、日本の中央政府が発行している国債や借入金などの合計額は、約1,323.7兆円です。このうち長期債(フィルプ債や短期手形などを除く)は、約1,106.2兆円となっており、いずれも過去最大の水準です 財務省+2財務省+2

2. 中央+地方を含む長期債務

中央政府に加えて地方自治体を含む場合、中央と地方の長期債務の合計は、2024年度末には約1,315兆円(GDPの約214%)と見込まれています 財務省

3. 広い意味での公的部門全体の債務

国、地方、社会保障基金を含む広い範囲で見ると、2025年4月時点でその合計は約1,466兆円に達し、GDP比では**約235%**にもなると言われています SMD-AM+1


小学生にもわかるまとめ

項目金額の目安
中央政府の国債など合計約1,324兆円
中央政府の長期国債のみ約1,106兆円
中央+地方の長期債務約1,315兆円
広く見た公的債務合計約1,466兆円(GDP比 約235%)

とても大きな金額ですね!GDPの2倍以上にあたり、これは世界でも非常に高い水準です 財務省


わかりやすく言うと…

国(政府)が「道路や学校を作るためにお金が足りないから借りますね」と言って、たくさんの借用証書(国債)を出しています。でも、それがとってもたくさんになりすぎて、将来に向けて「返すの大変なんじゃないかな…」と心配されています。

⭐︎国債はいつからある?

日本の国債の始まり

日本で初めて国債が発行されたのは 明治4年(1871年) です。
このときの国債は「明治政府がつくった新しい国を運営するためのお金」を集めるために出されました。江戸時代からの武士への「お給料(禄)」をやめる代わりに「金券(国債)」を渡して、国の財政を安定させようとしたのです。これを 「金禄公債(きんろくこうさい)」 といいます。


世界での国債の始まり

日本よりずっと前から、外国では国債が使われていました。

  • イギリス:17世紀の終わりごろ(1690年代)、戦争のお金を集めるために発行。
  • オランダ:16世紀から「国の借金証書」に近いものがありました。

つまり国債は、**「国が大きなお金をすぐに用意するときの道具」**として、昔からいろんな国で使われていたのです。


まとめ

  • 日本の国債は 1871年(明治4年) から始まった。
  • 最初は武士へのお給料制度をやめるための「金禄公債」。
  • 世界ではイギリスやオランダがもっと前から発行していた。

⭐︎国債は無限に発行できる?

1. 理論的には発行できる

国債は「国が借金するための証書」なので、理論的にはどんどん刷って(発行して)いくことは可能です。印刷する紙やデータの制限はほとんどないからです。


2. でも実際には限界がある

しかし、無限には発行できません。なぜなら、返すのは未来の国民だからです。国債が増えすぎると次の問題が出てきます。

  • 利息の負担が大きくなる
    国債を買ってくれた人に利息(利子)を払わないといけません。借金が増えると利息も大きくなり、国の予算が「借金返し」でいっぱいになります。
  • 信用が下がる
    「この国は借金だらけで返せないかも」と思われると、国債を買ってもらえなくなったり、金利を高くしないと買ってもらえなくなったりします。
  • お金の価値が下がる(インフレ)
    国債を日銀が買いすぎると市場にお金が増えすぎ、物の値段が急に上がってしまう(インフレ)の危険があります。

3. 日本はどうしている?

日本は世界でも国債の発行がとても多い国です。GDP(国内の経済の大きさ)の2倍以上の国債を抱えています。でも、今のところは

  • 国債のほとんどを日本国内の銀行や日銀が持っている
  • 日本円は自分の国のお金なので返す仕組みを作りやすい

このため、すぐに破綻(はたん)するわけではありません。


まとめ

  • 国債は「理論的には無限に発行できる」。
  • でも、利息の負担・信用の低下・インフレなどの理由で「現実的には限界がある」。
  • だから、国は「どこまで発行するか」をよく考えてコントロールしている。

⭐︎返すのはなぜ国民?

1. 国のお金の元は税金

国は毎年、国民から集めた 税金 をもとに学校や道路、医療や年金などにお金を使います。
国債を返すときも、利息(利子)や元本を払うためのお金は 税金から出される のです。つまり、国が借りたお金を返すために、最終的に使われるのは国民のお金、ということです。


2. 国債は「未来への借金」

国債は今すぐ必要なお金を集めるために発行されます。
でも返すのは何年も先なので、将来の国民が払う税金で返済することになります。だから「国債の借金=未来の国民への約束」とも言えます。


3. 国民一人ひとりが間接的に背負う

  • 道路や学校を作るために国債を使えば、私たちは便利さを得られます。
  • その代わり、そのツケ(返済)は将来の税金に乗っかります。
  • だから「国が借りたものを返すのは国民」と言われるのです。

4. わかりやすいたとえ

たとえば、お父さんやお母さんが「家を建てるためにローンを組んだ」とします。
→ 家族みんながその家に住めてうれしいけど、毎月の返済は家族の収入(お父さんお母さんの給料=税金にあたるもの)から出ます。
国債も同じで、「みんなで使うものに借金したから、みんなで少しずつ返していく」という仕組みです。


まとめ

  • 国債を返すお金は「税金」から出る。
  • 税金は国民が払うものだから、返すのは国民。
  • 国債は「未来の国民への借金」でもある。

⭐︎誰でも買える?

1. 基本的には誰でも買える

国債は「国の借用証書」なので、銀行や保険会社のような大きな金融機関がたくさん買っています。でも、個人(ふつうの人)でも買うことができます


2. 個人向け国債

日本では「個人向け国債」という特別な商品があって、銀行や郵便局、証券会社などで買えます。

  • 最低1万円から買える
  • 元本(もとで)は国が保証してくれるので安心
  • 3年、5年、10年などの期間を選べる
  • 毎年少しずつ利息(りそく)がもらえる

つまり、ふつうの人でも貯金のように国債を買うことができるのです。


3. 注意点

  • 買ったらすぐに解約できない(基本は3年、5年、10年の満期まで持つ)
  • 銀行預金に比べると利息は少ないけれど、国が返してくれるので安心度は高い

まとめ

  • 国債はもともと銀行や保険会社などがたくさん買っている
  • でも「個人向け国債」を通じて、だれでも買える
  • 安全性が高いけれど、すぐに売ったり大きな利益を得たりはしにくい

小学生向けにたとえると、国債は「国が出すおこづかい帳」みたいなもので、持っていると少しずつ利息(おまけ)がついて戻ってくる仕組みです。

⭐︎外国人でも買える?

1. 外国人も買える

答えは 「はい、買えます」 です。
日本の国債は、日本国内の銀行や保険会社だけでなく、外国の銀行、投資家、政府、ファンドなども買うことができます。つまり「日本人だけ」ではなく、世界中の人や機関が買える仕組みになっています。


2. 実際にどれくらい持っている?

  • 日本の国債のほとんど(約9割)は日本国内の銀行、保険会社、日銀などが持っています。
  • **外国人が持っているのは全体の1割弱(だいたい7〜8%くらい)**といわれています。
    (アメリカ国債のように半分以上を外国が持っているケースと比べると、日本はかなり「自分の国の中」で持っている割合が高いのです。)

3. 外国人が買うメリットと注意点

  • メリット:日本国債は「世界で一番安全」と言われることもあり、安定した投資先になる。
  • 注意点:日本円で発行されるので、外国人が買う場合は「円の価値(為替)」が変動するリスクもある。

まとめ

  • 外国人も日本の国債を買える
  • でも実際には、日本の銀行や日銀などが大部分を持っていて、外国人が持つ割合は少なめ。
  • 安全性は高いけれど、外国人にとっては「円の値動き」がリスクになる。

小学生向けにたとえると、国債は「日本のおこづかい帳」ですが、「外国の友だち」にも売ってあげられる。でも実際は「家族(日本国内)」がほとんど持っている、という感じです。

⭐︎国債を出しすぎて失敗した例は?

1. 国債を出しすぎるとどうなる?

国債は「借金」なので、出しすぎると 返せなくなったり、お金の価値が下がったり します。すると国の信用が落ち、経済が大混乱することがあります。


2. 実際の失敗例

(1) ドイツ(1920年代・ヴァイマル共和国)

第一次世界大戦のあと、ドイツは多額の賠償金を払うために国債を発行し続けました。その結果、国のお金があふれすぎてしまい、パン1つ買うのに 1兆マルク など、とんでもない「ハイパーインフレ(超インフレ)」になってしまいました。

(2) ジンバブエ(2000年代)

ジンバブエ政府が国債やお金を大量に発行しすぎて、物の値段がものすごいスピードで上がりました。最終的には「100兆ジンバブエドル札」まで出たのに、パン1個も買えない状態になりました。

(3) ギリシャ(2010年代の金融危機)

国債を出しすぎて返済が難しくなり、信用が落ちて「国債が売れない」状態に。国は借金を返せなくなり、EUや国際機関に助けてもらうことになりました。失業率がとても高くなり、国民生活は大変な状況になりました。


3. 日本は大丈夫?

日本も国債をたくさん発行していますが、

  • 国債の大半を 日本国内(日銀や銀行) が持っている
  • 日本円は自国通貨なので、他国への返済リスクが少ない
    という理由で、ドイツやジンバブエのような「すぐに破綻(はたん)」という危険は小さいと考えられています。
    ただし、将来の世代への負担が大きい という心配は残っています。

まとめ

  • 国債を出しすぎると「インフレ」や「返済不能」で失敗する。
  • 実際に失敗した例:ドイツ(ハイパーインフレ)、ジンバブエ(超インフレ)、ギリシャ(国債返済危機)。
  • 日本はまだ大丈夫とされているが、注意は必要。

⭐︎ドイツやジンバブエは自国通貨ではなかった?

1. ドイツ(ヴァイマル共和国・1920年代)

  • 通貨:自国通貨「マルク」を使っていました。
  • 第一次世界大戦の賠償金を払うため、たくさんの国債を出し、それを日銀のような中央銀行が引き受け、お金を刷りすぎてしまいました。
  • その結果、お金の価値が暴落し、ハイパーインフレ になったのです。

👉 つまり、ドイツは自国通貨で失敗した例 です。


2. ジンバブエ(2000年代)

  • 通貨:自国通貨「ジンバブエ・ドル」を使っていました。
  • 政府が国債やお金を大量に発行したうえに、農業政策の失敗や経済制裁も重なり、物が不足。
  • お金だけ増えて物が足りないので、値段が爆発的に上がり、世界最悪のハイパーインフレ に。

👉 これも 自国通貨で失敗した例 です。


3. ギリシャ(2010年代)

  • 通貨:ユーロ(自国通貨ではなく、EU共通通貨)。
  • 国債を発行しても、自分でお金を刷って返すことができず、返済不能に近い状態に。
  • そのため、EUやIMFに助けてもらうしかなくなりました。

👉 ギリシャは「自国通貨を持たない国」での失敗例 です。


まとめ

  • ドイツ・ジンバブエ → 自国通貨を使っていたのに、国債+お金の出しすぎで失敗。
  • ギリシャ → 自国通貨がなくユーロに縛られていたので、借金を返せず失敗。

つまり「自国通貨だから絶対安全」というわけではなく、通貨を持っていても、国債を乱発して信用を失うと失敗する ということです。

⭐︎今後、国債はどうなる?

1. 国債はすぐにはなくならない

日本では学校、病院、道路などにたくさんお金が必要です。税金だけでは足りないので、これからも国債は使われ続けると考えられます。国債は国の家計簿の中で、なくてはならない仕組みになっているのです。


2. 増え続けると心配なこと

  • 返済や利息の負担:借金がふえると、返すお金や利息が大きくなり、将来の予算の多くが「借金返し」に使われてしまうかもしれません。
  • 信用の低下:投資家(お金を貸す人)から「返せるのかな?」と疑われると、国債を買ってもらうのが難しくなることがあります。

3. 日本の強み

  • 国債のほとんどは日本国内(日銀や銀行)が持っているので、外国に急に返せと言われる心配が少ない。
  • 日本円は自国通貨なので、理論的には国債を返すために新しくお金を発行できる。

これらのおかげで、日本は今すぐドイツやジンバブエのように「大失敗」する可能性は低いと考えられています。


4. 今後の見通し

  • 短期的:国債はこれからも発行され、増えていくと予想されています。特に高齢化で医療や年金にお金がかかるからです。
  • 中期的:国の財政を安定させるために、増税(税金を上げる)や歳出削減(使うお金を減らす)が議論されていきます。
  • 長期的:将来の世代に大きな負担がかからないよう、国債の発行をコントロールする仕組みがますます必要になります。

まとめ

  • 国債はこれからもなくならず、国の運営に使われ続ける。
  • ただし増えすぎると、返済や信用の問題が出てくる。
  • 日本は「自国通貨で借金している」強みがあるので急に危機にはならないが、未来の世代に負担を残さない工夫が必要。

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